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蓮沼浩のコラム
第715話:お肉の評価雑感

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2022年12月20日

あっという間に12月も後半戦に突入です。例年のことですが、すぐに年をこすのでしょう。本当に時間が過ぎるのがはやくて言葉がありません。

これからの肉牛の進む方向性のひとつとしていわゆる霜降りだけでなく、牛肉のおいしさを評価していく方向性が今回の全共で示されました。しかし、この牛肉のおいしさというものは非常に評価が難しいポイントでもあります。オレイン酸は昔から注目されている脂肪酸であり、牛肉のおいしさに大きくかかわっているといわれています。今回の全共の第7区ではMUFA(一価不飽和脂肪酸)を枝肉の評価基準としていました。今後もMUFAを中心として牛肉のおいしさという評価基準は試行錯誤されながら徐々に形ができていくのでしょう。

そんなことを何となく考えていたら、先日とあるデータを見る機会がありました。これは血液中のαリノレン酸の量を測った試験結果になります。基本的には血液中の脂肪は多くないのですが、以前紹介していたアマニ油を飼料に添加することで総脂質中のαリノレン酸の含有量が対照区と比べて優位に高い結果が出ていました。

あくまでも血液中の結果ですが、αリノレン酸が多くなることでいわゆるω3脂肪酸の良い効果が牛さんだけでなく牛肉を食べた人様にもでればいいな~~と思いました。これからの牛肉の評価基準においしさに加えて健康に関する話題もあってもいいかもしれませんね。
 
 
 
 
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