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蓮沼浩のコラム
第714話:新しい資本主義 その4

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2022年12月8日

「新しい資本主義」の中で獣医さんに関係のある、小生が気になるポイントがもう一つあります。それはといいますと「デジタル田園都市国家構想基本方針」の中にある遠隔診療に関する各種計画になります。

何と書いてあるかといいますと・・・

「デジタル技術を活用して畜産業や養殖業の生産性基盤強化を図るため、飼養衛生管理等に関する情報をタイムリーに共有・活用するシステムの開発を開始するとともに、獣医療提供体制や水産防疫体制の強化に向けて、場所を選ばない迅速な診断を可能とする遠隔診療を推進する。」

なるほど・・・

上記のように今後は産業動物獣医師の中では遠隔診療がかなり重要なポイントとなってきそうです。確かに最前線の現場で働いている臨床獣医師として、様々な観点から非常にこの重要性はわかります(牛さんの獣医さんは勤務時間の約3割は移動時間ともいわれています)。

遠隔診療の定義などまだまだ小生はよくわかってはいませんが、電話での相談や携帯電話での動画確認、その他さまざまな形での遠隔診療??は実際に行われています。現場のことをよくわかっている獣医師なら、農家さんと電話で話すだけですぐに牛さんがどういう状態かがわかります。いつも往診に回っている農場ならなおさらです。小生はいつも往診を回る農場の疾病が発生する特徴をしっかりと把握しています。実は話だけでかなりの症例で診断と治療の方向性を決めることが出来ます。

どのような形の遠隔診療が広がっていくのかまだまだはっきりとはしていませんが、すさまじい勢いで発展している科学技術がこれからおどろくような世界を作っていきそうです。

遠隔診療をするうえで、いろいろと難しい問題もあると思います。さてさて、あと5年、10年後の日本の農業、肉用牛業界はどうなっているでしょう???
 
 
 
 
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