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戸田克樹のコラム
第378話「寒さ対策」

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2022年12月19日

2022年が始まったと思ったら、もういくつ寝るとお正月がやってきそうなところまで来てしまいました。また1年が経ってしまったのですが、そんな実感があるわけもなく、正直なところ時の速さに戸惑っています。体感的にはまだ2022年は半年くらいしか経っていない気がします…というか、あまり記憶がありません!(笑)。

冗談はさておき、すっかり冬になりました。南国鹿児島でもついにジャケットやジャンパー無しでは外仕事ができない状態になっております。ネックウォーマやニット帽も必要になってきましたね。牛さんは残念ながら一日中外で過ごしていますから、やはり寒冷対策は重要です。とくに哺乳期の子牛は、発酵熱を産生してくれるルーメン機能が未発達ですから、寒さにはとことん弱いです。私たち人間が薄着で外に放り出されたらすぐに体調を崩してしまうように、子牛も冷えには弱いです。ヒーターの設置、カーフジャケットやネックウォーマ―の装着、敷料の増量、ラバーマット(お風呂マット)の設置、子牛が飲むときに冷えないよう代用乳を少し熱めのお湯で溶かす(60℃以上のお湯で溶かすとミルク中のタンパク質が変性してしまうので高温になりすぎないよう注意してください)、飲水用にぬるま湯を与える、など、冬にはさまざまな寒冷対策が必要になってきます。それぞれの牧場で、できることは限られますが、実行できそうなものがあればぜひ行ってみてください。

寒冷刺激は産熱エネルギーの浪費につながり、増体率の低下を招きます。少しでも子牛には暖かい環境で過ごしてもらい、すくすくと大きくなってもらえるよう、しっかり対策をとっていきましょう。
 
 
 
 
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