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戸田克樹のコラム
第377話「不安だったら再鑑定」

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2022年12月5日

妊娠鑑定を行う際に、弊社ではときおり「再鑑定」を選択することがあります。
再鑑定を選択するのは
① AI後40日未満での鑑定
② 胎膜スリップも取れるし、エコーで羊水の貯留も確認できたが、肝心の胎仔が映らない
③ 羊水の量が少ないあるいは胎仔の心拍が弱い気がする
というような場合です。

エコーを使用すれば羊水を視認できるので、AI後30日前後から妊娠鑑定を行うことは可能です。胚を確認することもできます。しかし、早すぎる妊娠鑑定にはデメリットが多いです。鑑定時には妊娠状態が確認されたとしても、その後、早期胚死滅を起こして不受胎牛になる可能性がありますし、胎仔や羊水を確認しようと子宮を触りすぎると人為的に流産を起こしてしまう危険性もあります。また、エコーで確認しても羊水の量が少なかったり胎仔の心拍が弱い場合は再鑑定で流産が確認されるケースが多いため、やはり再鑑定を実施する方がよいです。

子宮をしつこく触ったり、無理に扱ったりすることは避けたいところです。やはり、人為的な流産を防ぐためにもちょっとでも不安材料があったら「後日再鑑定」という選択肢をとってもよいのではないでしょうか。ちなみに、弊社では約7~10日程度空けて再鑑定を行うことが多いです。

 
 
 
 
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