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藤﨑ひな子のコラム
体の水分

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2022年12月2日

 12月に入り、師走という文字にぴったりでなんだか心も体もせわしくなってきました。去年の今頃は、卒論発表も一段落し、本格的に国試勉強をスタートさせていました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 さて今回もコラムでは体の中の液体「体液」についてお話ししたいと思います。
 体液は体中にある全ての液体成分のことをさします。ウシの体液はヒトの体液と同じように、体重の約60%を占めているといわれています。そのうち60%が細胞の中(細胞内液)にあり、残りの40%が細胞の外(細胞外液)にあります(体重換算すると、細胞内液が約40%、細胞外液が約20%です)。
 さらに細胞の外の液体は細胞間質液と血漿、細胞通過液に分かれます。
 間質液は細胞と細胞の間を満たしている液体で、細胞外液のうち約75%を占めます。
 血漿は、血液の液体成分のことで、細胞外液のうち約20%を占めます。ちなみに血液量を体重換算すると約8%といわれています(約5%が血漿成分で、約3%が血球成分です)。
 細胞通過液とは、脳脊髄液(頭蓋骨内を満たしている脳を浮かせている液)や眼房水(眼の中にある液体)、関節液などをさし、間質液や血漿とは異なる働きをします。
 体液の量について説明しましたが、これは年齢や脂肪の量によって変わります。ヒトでも若いお肌はツルツルといいますが、実際に牛で老牛、成牛、子牛の順で水分量は多くなります。子牛の水分量は体重の約70%ともいわれています。また痩せている状態(脂肪が少ない状態)では、太っている状態(脂肪が多い状態)に比べて水分量は多くなります。
 今回は数字の羅列の多い体液成分についてお話ししました。次回は細胞の中と外についてお話ししたいと思います。


 
 
 
 
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