(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
藤﨑ひな子のコラム
1円玉、500円玉

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2022年11月25日

 先日のコラムの宣言通り、ユニ〇ロのウルトラライトダウンを購入しました。また、同じような機能の服をワー〇クマン プラスでも購入しました。どちらも軽く、温かくこの冬をしのげそうです。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 
 11月の上旬にゼノアックさんにご来社いただき、佐藤先生に補液に関してご教授いただきました。補液に関して、基礎から臨床現場での使い方まで様々な角度からお話ししていただきました。お忙しいところありがとうございました。
 今回お話しするのは、補液の話ではないのですが、佐藤先生にお話ししていただいた、小銭の大きさのお話です。佐藤先生が臨床現場で働かれていた時に、授精師さんから「ポケットに小銭を入れて、大きさの感覚を身につけなさい」と、教わったようです。これは直腸検査時の卵巣の所見を得るときに役に立ちます。
 ウシの発情周期は約21日で、この周期中に2~3回の卵胞群の発育が見られます。ただし、この卵胞群の中で排卵する卵胞は1個だけです。残りの卵胞は閉鎖卵胞といって、発育中に消滅していきます。排卵した卵胞は約7日かけて黄体へと変化していきます。黄体はそこから8~9日間機能的黄体として存在し、その後退行し、次の卵胞が排卵します。
 排卵直前の卵胞の直径は12~24 mmと幅広いですが、経産牛は平均17 mm、未経産牛は平均15 mmです。機能的黄体は約20 mmです。ここで、それぞれの硬貨の直径について紹介したいと思います。最小の硬貨1円は直径20 mmで最大の硬貨500円は直径26.5 mmです。数値上であらわすと、あまり大きさに大差がないなと感じました。しかし実際に触ると大きさの違いがよくわかると思います。排卵直前の卵胞の平均的な大きさは1円玉よりも小さいことにも驚きでした。さらに機能的黄体も1円玉の大きさくらいしかないことにも驚きました。卵巣所見で500円玉よりも大きな構造物を卵巣で触知した場合、卵胞嚢腫の場合があります。通常の卵胞は25 mmを超えないので、500円玉が大変良い基準になるのです。
 このように身近な私生活の中でも、役に立つことがころがっているのだな~と感じたお話でした。

 
 
 
 
今週の動画
Body condition score ( Part 6 ) UV法について その6

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