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加地永理奈のコラム
とちぎの和牛を考える会

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2022年11月30日

先日は那須で開催された「とちぎの和牛を考える会」に参加してきました。コロナの影響で3年振りの開催、私は初めて参加させていただきました。
この会は農家さん主催の勉強会で、この日は300人以上参加されていました。開催に携わっている方々は、日頃のOPUでお世話になっている方だったり、診療でお世話になっている方だったりでした。
講演では和牛子牛の飼育管理についてお話がありました。5か月齢までが体高等のフレームが成長する期間であり、日齢プラス30~50kgの素牛を目標に発育できれば、その後の肥育成績もバラつき少なく良い成績が見込めるそうです。そのための哺乳必要ラインは1日6L、100日齢以上の期間まで。子牛用のミルクも価格高騰していますが、この量や期間を少なくしてしまうとフレームも伸びず、さらにはストレスで免疫も低下してしまうとのことでした。
和牛子牛は特に脂肪分解能力が低く、高脂肪のミルクであったり一回量を多く飲みすぎたりすると下痢をしてしまう子が出やすいです。その経験から自身も、和牛子牛がミルクをたくさん飲みすぎてしまうことを心配しすぎていました。しかし唾液をたくさん出しながらミルクを飲めれば、唾液中の酵素が第四胃での消化吸収を助けてくれます。そのためには2Lを5分以上かけて飲ませること、哺乳後も哺乳瓶を残置して吸わせること、などをポイントにして、1日6Lのラインを割らないようにすること、私も農家さんにお伝えしていこうと思います。
午後は肥育農家さんのパネルディスカッションもあり、素牛導入時にみるポイントや、飼養管理上のこだわりなどについてのお話を伺うことができました。農家さんがそれぞれ培った感覚でやっていること、導入もとの農家さんに伝えたかったことなども共有される場となっていました。こうして農家さん同士が繋がり、場を設けて情報共有や意見交換ができることで、地域単位での取り組みが活性化していくのですね。
今回このような集まりに参加させていただきありがとうございました。景品までいただきしっかり楽しんでしまいました。次回以降もぜひ参加したいと思っています。(いつかは講演できるようになんて大きな目標もかかげつつ)
 
 
 
 
今週の動画
Body condition score ( Part 6 ) UV法について その6

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