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加地永理奈のコラム
OPU前に肝臓ケア

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2022年11月16日

今月に入ってから、OPUで吸引した卵子の中に培養できない卵子(卵丘細胞が膨化した卵子、細胞質が変性した卵子)が増えた気がします。培養できない卵子の数が増えたり、採取できる卵子が減ってきたりしたときには、肝臓ケアをオススメします。
肝機能が低下していると、卵子を包んでいる卵胞液の状態も悪くなり、卵子の質も悪化します。OPU前、肝機能を回復させるために強肝剤(パンカル注)を投与したこともありますが、やはり注射よりエサで管理できた方が良いですよね。そこで、今のところはミルカン(ビタミンB群、メチオニンなどを含む)やリーシュア(バイパスコリン)といった強肝剤の飼料添加とブドウ糖の給与の2つをお願いしています。普段からそれらを給与している場合には、倍量にしてもらっています。肝臓のエネルギー源を充分に補給させることが目的です。
また普段与えている配合飼料とイネ科牧草を倍量に増給することでも、回収卵子数が増えるとの報告があります。ただし高エネルギーの給与を長期的に続けてしまえば、もちろん過肥のリスクとなります。そのため、こういった増飼はOPUの2週間前から行い、OPUが終わったらすぐ元の量に戻す、というのが良いのではないでしょうか。
OPU成績を上げるための飼養管理についてはまだ模索中です。ぜひ一緒に、より良い方法を探してください!

 
 
 
 
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