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松本大策のコラム
牛舎にある危険 枠場編

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2022年11月28日

 朝夕めっきり冷えてきましたがみなさんちの牛さんはお元気ですか?
 僕も、今日日光の山の上の牧場のコンサルに向かう途中、山の上に雪が積もってるのを見てまだ冬タイヤにしてないやと焦りましたが、幸い僕の行く農場までは全く積もっていませんでした。
 早く準備しとかなきゃ。

 ところで今回は、牛舎にある危険のうち、あらためて枠場に関する注意点をお話ししようと思います。

 写真1は、繁殖でよく見かけるもので、発情して他の牛に乗駕しようとして、枠の隙間に足を挟んでしまって倒れたものです。お母さん牛はよくやるんですよね。これはビタミン補給後に発情が回帰した肥育のメスでも見られます。
 枠の隙間に足を挟む以外にも、枠の上に乗り上げてお腹で二つ折りになって死んでいる牛さんや、命はあったけどお腹の皮膚や筋肉が圧迫で壊死したものなど、いろんな例があります。枠の高さは牛さんが乗り上げないくらいにしてあげること、枠の隙間は鉄板などを溶接して足を挟まないようにしてあげること、枠の一番下と床の隙間には頭が余裕をもって出し入れできる高さがあること等に注意しましょう。
 枠の一番下と床の間に足を突っ込んだ状態で急に起き上がろうとして骨折する子や、頭が挟まって起き上がれなくて死んでいる牛もいますからね。
 また、通常は床と一番下の枠の間に余裕があるのですが、敷き料がたまってくると、床が高くなって隙間が狭くなるので、これも気を付けましょう。


写真1

 もうひとつ気を付けた方がよいと思うのが、枠が下がらないように鉄の棒やワイヤーなどで斜めに吊ってあるタイプです。
 これのどこが危険なの?と思われるかもしれませんが、考えられないことをしてくれるのが牛さんです。

 写真2と3をみてください。これは別々の牛さんですよ。
 斜めに張ってある枠の支えに除角後の変形し立つのが引っ掛かって首吊りのような形で死んでいたのです。
 まさにビックリですが、こういうこともあることを頭にいれておきましよう。


写真2


写真3
 
 
 
 
今週の動画
Body condition score ( Part 6 ) UV法について その6

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