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笹崎直哉のコラム
繁殖牛~肌寒くなってきましたね~

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2022年11月17日

先日、ダンスチームメイト(高校生)から「習得したいブレイクダンスの技があるので教えてほしい」との依頼があり、「もちろん!」と即答し、仕事終わりに集まりました。ところが教えようとした技を私自身が老化のためか出来なくなっていて「あれ、もしかしてできないのですか?」と言われてしまいました。笑って誤魔化すことができず、正直にできないことを謝り、しばらく待ってもらい、ひたすら汗だくになって思い出す練習。

帰る頃、高校生に「体力落ちていますね」と言われ、その日は帰宅後もずっとブルーな気持ちでした。あぁ情けない。

さて、鹿児島もいよいよ肌寒くなってきました。秋~冬の時期になると、母牛の繁殖障害治療依頼を受け、診察する際「黄体も卵のサイズがあまり良くない」といった状況を散見します。
これはまさに夏場の暑熱ストレスが影響していると思います。このストレスによるビタミンAの消耗が普段食べているエサから得られる量を上回り、結果的にビタミンAが追いつかなくなる状況をつくってしまいます。
ここで手っ取り早いのはビタミン剤の注射(ビタミンAでいうと150~250万単位)の実施ですが、経口投与や飼料添加でじわじわ補充するのもお勧めですし、注射と飼料添加を同時に並行で進めていくのも良いですね。

また冬場になると、今度は寒冷ストレスでカロリーを普段よりも多く利用してしまうため、ルーチンで給与する飼料にトウモロコシ圧ペンなどデンプンのもとになるものを足してあげると冬季の寒さ対策になり、卵巣にも栄養がいくようになります。
一方、少し脱線しますが、季節関係なく分娩前の増しエサ時期(一般的に分娩前2ヵ月からスタートします)にカロリーはもちろんのことタンパクレベルも上げることを目的に繁殖用飼料に育成飼料を混ぜて給与する方が増えてきたように思います。はたまた育成飼料ではなく人工乳(スターター)を混ぜるという方もいらっしゃいます。
コストとの兼ね合いがありますが、母牛が栄養を必要とする時期にターゲットを絞って(分娩前であれば胎子に、分娩後であれば繁殖活動再開に向けた子宮や卵巣の回復に)配合飼料の種類を変更したり、2種類給与するというのは、ひとつ武器として持っておいてもいいかもしれませんね。

 
 
 
 
今週の動画
When should we check cattle’s mouth ? どんなときに口腔内検査する?

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