(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
笹崎直哉のコラム
繁殖牛~授精後のお話~

コラム一覧に戻る

2022年11月15日

先日天草の苓北で開催された10kmマラソンに出場してきました。仮装して走り、タイムはちょうど1時間。マスクを被っていたため、呼吸するのが大変でしたが、なんとかゴール。

次はもっと練習して、ハーフかフルマラソンに参加したいですね。

今回は繁殖農家さんから頂いた質問とその回答を紹介します。
「よい発情がくる。授精も難なくできる。ただなかなか受胎しない』とのこと。

これにはいろいろな原因が考えられますが、その中で1つお話させて頂きます。
テーマは「黄体のはたらき」です。
発情後、授精を終え排卵も無事に済んだら、その後は黄体の働きが重要になってきます。
黄体はプロジェステロンというホルモンを分泌し、受精卵の着床やその後の妊娠維持に関わります。しかし、牛さんの中には黄体の働きが不十分なケースがあり、結果受胎に至らないことがあります。その場合はどうすればよいか。

私はCIDRの使用をお勧めしています(農家さんはトンボとよくいわれますが)。通常、発情周期の同調、鈍性発情、卵巣静止の処置で使われるものですが、これを授精後5日に挿入することで血中のプロジェステロン濃度が上昇するため、授精後の着床などの問題が改善されます。

一方、ホルモン剤を使いたくないという方は黄体機能を強化するβカロテンやビタミンEの補充をお勧めします。どちらも添加剤がありますが、βカロテンに関しては青(緑)色の強い粗飼料に多く含まれていますので、そちらを給与しても良いですね。例えばアルファルファ(ヘイキューブ)、チモシーなどの乾草や青草などです。
実はβカロテンは血中のレベルをみると、農場によっては足りていないケースがあります。もしお悩みの方がいましたら、試してみてくださいねー。

 
 
 
 
今週の動画
【尿石症】尿検査してみました

|