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トキソイドとは |
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2022年10月28日
先週までは夜に冷房が必要なほど蒸し暑い日があったにもかかわらず、今週は朝夕冷え込みました。もう10月も終わりますね。今年もあと2ヶ月で終わりますが、皆様どうお過ごしになられますか。
前回のコラムではどういった症状にワクチンがあるのかについてお話ししました。今回のコラムでは、トキソイドについてお話ししたいと思います。
ワクチンを性質や成分の違いから分類すると、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドに分けられます。なかにはトキソイドを不活化ワクチンの1つとして含み、生ワクチンと2種類に分類することもあります。生ワクチンと不活化ワクチンの特徴については、松本先生やシェパード卒業生の数面先生のコラムをご覧ください。ざっくりですが表にもしてみました。

トキソイドとは、破傷風菌のような強い毒素をもつ細菌の毒素(外毒素)をホルマリンなどの処理により無毒化(不活化)し、抗体が結合する部位(免疫原性)を残したままワクチンにしたものです。細菌に対するワクチンに相当するとも言えます。不活化する点で不活化ワクチンと同じです。
トキソイドは不活化ワクチンと同じく感染性(増殖能力)はなく、効果の持続性も低いです。そのため複数回の接種が必要です。
ウシにおいてはクロストリジウム(破傷風菌を含む)による疾病の発症予防としてトキソイドワクチンがあります。クロストリジウム自身の種類や毒素の種類によってさまざまな病気(破傷風、気腫疽、悪性水腫、壊死性腸炎など)を引き起こします。それらの疾患はいずれも致死的です。それらの発症予防の選択肢として、トキソイドワクチンがあるのです。
次回はクロストリジウムについてお話ししたいと思います。
今週の動画
Body condition score ( part 5 ) UV法について その5
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