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ワクチンの種類 |
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2022年10月21日
10月12日に鶴(ナベヅル)が出水市に今年初渡来したそうです。日中の気温はまだまだ高いですが、冬ももうすぐそこまで来ているのかもしれません。寒暖差にはご注意ください。
前回は抗ウイルス薬についてお話ししました。ウシの世界では抗ウイルス薬の使用頻度が低く、ウイルス感染対策としてはワクチンを使用することをお話ししました。今回は、どのようなワクチンがあるのかお話ししたいと思います。
(1) 異常産に対するワクチン
流産、早産、死産および体形異常などの異常産の発生を予防するワクチンです。アカバネ病やアイノウイルス感染症、チュウザン病などのアルボウイルス(蚊などによって伝染するウイルス)の予防を目的とします。また牛ウイルス性下痢症は流産をおこし、ワクチンで予防することができます。
(2) 呼吸器症状に対するワクチン
呼吸器疾患(特に肺炎)を予防するワクチンです。牛伝染性鼻気管炎、牛パラインフルエンザ、牛RSウイルス感染症などの予防を目的とします。若齢時への摂取が推奨されています。
(3) 消化器病に対するワクチン
消化器疾患(下痢など)を予防するワクチンです。牛ロタウイルス病、牛コロナウイルス病、大腸菌症などの予防を目的とします。妊娠中の親ウシに接種することで初乳中の移行抗体価を上昇させ、初乳を飲んだ子ウシの免疫を上げることができるものもあります。
(4) 家畜伝染病や届出伝染病に対するワクチン
炭疽や気腫疽、破傷風など監視伝染病(家畜伝染病や届出伝染病)に指定されている疾病の発生予防を目的としています。
上記のワクチン以外にも、乳房炎の症状の軽減を目的としたワクチンなど様々な種類のワクチンがあります。また、上記にも含まれています通り、ウイルスではなく細菌をターゲットとしたワクチンもあります。ワクチンは農場の疾病をコントロールするうえでの、選択肢の1つだと思います。
今週の動画
【cow bruxism】なぜ牛は歯ぎしりする。
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