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抗ウイルス薬 |
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2022年10月14日
出水市の上場高原のコスモスが見ごろとなっております。やっと秋を感じられるようになってきました。皆さんはどのような時に秋を感じますか?
さて前回は抗感染症薬の中でも抗菌薬についてお話ししました。抗菌薬は細菌に対抗するための薬剤で、体内の細菌に静菌的もしくは殺菌的に働き、体内の細菌の増殖を抑え込みます。その抗菌薬の組み合わせについてお話ししました。
今回は抗ウイルス薬についてお話ししたいと思います。抗ウイルス薬とは、ウイルスに感染した体内でのウイルスの増殖を抑える薬剤です。抗ウイルス作用をもつインターフェロン(IFN)製剤が動物にも臨床応用されています。インターフェロン(IFN)は、体が作り出すタンパク質の一種で、ウイルスが感染した細胞や癌などの腫瘍細胞で作られ、それらの細胞の増殖を抑える特殊なタンパク質です。Ⅰ型インターフェロン(IFN)の抗ウイルス作用は、ウイルスのmRNAの分解、mRNAの転写阻害、ウイルスの成熟を阻害するMxタンパク質の発現、抗原提示の促進やナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化することで、ウイルスの増殖を阻害するのです。
小動物の世界では実際に使用されており、Ⅰ型IFNであるネコIFN-ωがネコカリシウイルス感染症および、イヌパルボウイルス感染症の治療に使用されています。ウシの世界でも、教科書的にはヒトIFN-αが牛ロタウイルス感染症に使用されていると書かれていますが、シェパードでは使用しておりません。(もしご使用なさっている方がいらっしゃいましたら、ご意見お聞きしたいですm( _ _ )m)
では抗ウイルス薬を使用しないならば、ウイルス感染とどのように戦うのでしょうか?それは、感染する前に予防に力を入れるということです。ここで使用されるのがワクチンにあたります。ワクチンについては次回よりお話ししたいと思います。
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