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池田哲平のコラム
牛の解剖96:腎臓(4)

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2012年4月13日

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 腎臓の表面はあずき色の光沢ある色をしています。レバー(肝臓)と同じような色ですね。教科書や成書を見てみても、赤褐色と書いてあったりと表現の違いはありますが、それに近い色で表現されており、カラーの写真やイラストも載っています。

 ですが、屠場に足を運んで何度か臓器を見ていても思うのは「肥育牛の腎臓は色が薄い?」と言う事です。腎臓が病的に退色している(色あせてうすくなっている)のは別として、どの腎臓も自分がイメージしている腎臓の色や学生時代に解剖で見ていた腎臓の色よりも確実に薄い!

 学生時代に見ていたのはホルスタインだったので、黒毛和牛とホルスタインの違いなのか?
 赤い色は血の色なので、屠場で上手く放血(血抜き)されるから色がうすく見えるのか?(しかし、学生時代の解剖でも放血はしている)
 黒毛和牛特有の高蛋白飼料を飽食で食べることで、少なからず腎臓が病的な状態になってしまっているのか?

 などと色々考えてはいるものの、未だにはっきりとした答えは導き出せず・・・。
 ただの勘違いでしょうか?

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