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松本大策のコラム
「疥癬症のお話 その1」

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2007年10月29日


 牛さんのしっぽの付け根とか、内股や足首などに表面がガサガサになったような皮膚炎を起こすことがあります。原因の多くは、ショクヒヒゼンダニという目に見えないくらいの小さなダニです。皮膚炎を起こしているカサブタの部分を顕微鏡でのぞくと、怪獣みたいなやつがうじゃうじゃと見えます。あ、でもヒトには伝染らないのでご安心下さいね。 
 このほんの小さなダニが寄生すると、牛さんはひどいアレルギー性の皮膚炎を起こすのです。とてもカユみも強いようで、掻いてあげると牛さんは大変喜びます。もちろんダニですから次から次へと伝染して皮膚炎が広がっていきます。
 たかが皮膚炎、と思いがちですが、早めにバイチコールなどでダニを退治してあげましょう。カユミのストレスというのは意外に強いもので、肥育牛の場合、肉食にも悪影響があるといわれていますし、繁殖母牛や育成子牛でも群編成ストレスなどとあいまって繁殖成績や免疫などにも影響が出ることが懸念されます。恐ろしいのはそれだけではないんです。詳しいお話は次回にいたしましょう。
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