風邪や下痢の時は早めにお薬を飲ませてあげたいのですが、子牛の頭数が多い場合は、注射するにしても、経口で与えるにしても、1頭1頭捕まえるのは大変です。薬なら餌に混ぜれば簡単ですが、病気の時は気分が悪いので食欲もなく、特に薬を飲んで欲しい牛さんほど薬を飲めない、ということになります。
今年の僕の1月27日のコラム(肺炎の防除のお話8)でお話ししましたが、ドサトロンなどの飲水投与装置は、かなり弱った子でも水は飲むので、きちんと薬剤を全体の子牛に与えてあげることが出来ます。ただね、数頭しか飼っていない人には、最初のコスト(って言っても7万くらいなので、いまの子牛高を考えると十分に価値はあるのですが..)が高いと思われる方が多いのも現状です。
そこで、簡単な飲水投与の実例です。子牛は1日9〜10リットル程度の水を飲みます。ですから、子牛頭数分の1日分の水が入る容器(桶でもドラム缶でも)を用意して、1頭あたり必要な薬剤の量×頭数分を水に混ぜちゃうんです。そうすれば子牛が水を飲むたびに薬を摂取することになります。たとえば、子牛が6頭いたら60リットルの水が必要ですからドラム缶を1/3に切ったものでも十分です。これに水を入れて、たとえばエクテシン液なら 10ml×6頭分で60ml混ぜておくだけです。ゼンビタンとCTCを2:1で混ぜたものなら 30g×6頭分で180g混ぜておきます。ただし、1月29日のコラムで書いたようにパルス添加方式は必ず守って下さいね。そうでないと耐性菌が出来て、かえってやっかいです。また、使う薬剤は獣医さんに相談して安全域の広いものを選びましょう。子牛の水の飲み方も個体差や日較差がありますからね。