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松本大策のコラム
「脂肪壊死症についてちょっと考えていることその4」

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2007年10月15日


 繁殖母牛だけでなく、現在但馬系の種雄牛で脂肪壊死症が大きな問題となっています。優秀な種雄牛が何頭も脂肪壊死症で死んでいるのです。僕も何件かの種雄牛農場をコンサルしていますので(精液はいっさい扱っていませんから、そういうお問い合わせはご勘弁下さいね)、脂肪壊死症の対策は重要課題なのです。
 死亡した種雄牛の場合も、脂肪壊死が見つかったために餌を変えたりカロリーを落としているケースが多く、「痩せさせる」というセオリー通りに治療していたわけです。
 しかし、僕の経験でも、さらにいろいろな種雄牛を抱えている獣医さんへの聞き取りでも現在脂肪壊死があっても問題なく精液を出し、全身状態もよい種雄牛の場合、「脂肪壊死があったからといって特に餌を変えていない」あるいは「痩せさせていない」ケースがほとんどなのです。
 優秀な繁殖農家さんでも、「脂肪壊死があったからといって(治療は受けるけど)餌は特に変えない方が、脂肪壊死が少しくらい大きくなっていっても一生牛は使える」というお話をなさる方もいらっしゃいます。「これが絶対だ」などという気はさらさらないのですが、一つの考え方として「脂肪壊死が見つかってもボディーコンディションを変えない」というのはいかがか、と問題提起したいのです。
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