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蓮沼浩のコラム
第708話:2名で手術

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2022年10月11日

 鹿児島全共も無事終幕いたしました。参加されたいろいろな人とお話する中で、これからの和牛の進む方向性のヒントをつかむことが出来ればと考えています。

 笹崎先生から「今、戸田先生と手術しているので、お産に行ってもらえませんか?」との連絡。「了解いたしました!」と返答し、すぐにお産に向かいます。幸いひどい難産ではなかったので、しっかりと整復した後に無事娩出。よかった、よかった。

 そういえば・・・二人がすぐ近くで手術をしているはずなので、小生様子を見に行きました。

 戸田先生と笹崎先生が二人で仲良く何やらやっています。陰睾の手術だったので、摘出した精巣を見せてもらいました。結構でかいな~。でも、無事にとれてよかった、よかった。

 牛の獣医さんは、皆さん基本的になんでも一人でやる方が非常に多いです。手術だろうが、なんだろうがすべて一人。素晴らしい技術を持った方も沢山いらっしゃいます。本当に職人さんですね。しかし、シェパードでは手術に関してはできるだけ獣医師2名体制で行うようにしています。もちろん一人でやる時もありますが、獣医師2名体制で手術を実施するとたくさんのメリットがあります。

・獣医師は術式などすべて頭に入っているので作業がスムーズ。
・二人いることでいろいろ方向性を話し合って決めることができる。
・問題が起きた時の対処がやりやすい。
・ひとりでやる時と比べて安心感が格段に違う。
・楽しい。

 他にもいろいろあると思いますが、小生はこの中で一番重要なポイントとして「楽しい」をあげたいと思います。ひとりでやっている時よりも、2名でやっている時の方が各段に手術は楽しいです。基本的に手術中は口に出して「何々完了!」「尾椎麻酔完了しました!」「何々OKです!」など意識して言うようにしています。口に出していろいろすることで、だんだんとオペレーターと助手のリズムが出来てきます。このリズムに乗って手術をするのが楽しいのです。そして、術後もあれやこれや、反省点などを話し合うことができます。「あの時、ああしておけばよかったのでは?」「あの時、あんなになったので術前に今度からあれをしておこう」などなど。毎回、毎回小生も勉強になることはたくさんあります。

 最近は忙しさにかまけて、現場の診療を戸田先生と笹崎先生に結構まかせっきり。

 診療はとても大変でいろいろあるけど、やっぱり獣医さんは現場でワチャワチャやっているのがカッコよくて楽しそうで、いいな~~とふと思いました。


なにやら話し合いながら二人で頑張っています(笑)。

 
 
 
 
今週の動画
Body condition score (part4) UV法について その4

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