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蓮沼浩のコラム
第707話:血液検査について その5

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2022年10月6日

診療所の1カ月の予定がしっかりと決まると本当にほっとします。スケジュール調整をいかにうまく行うか。大変重要なポイントになります。
 
 
大動物臨床の世界では、前にも述べましたが意外と血液検査を実施するハードルが高いことがあります。それは、簡単に検査ができる体制が構築されていないことが大きな問題となっています。シェパードでは血液検査を外注することで非常に簡単に検査を実施できる体制が構築されているのですが、場所によってはそのようなことが出来ないところもあります。

また、血液検査装置を導入するにも、もかなり高額なものが多く、簡単にはできません。すると2022年10月4日に株式会社アイビーから「BoviLab血液分析装置BA-100A」という製品発売の連絡がありました。

他のメーカーの血液検査装置と比べて大きさが(15cm×17cm×17cm)と大変小型であり、牧場に簡単に持ち運べます。牛専用のポータブル血液生化学分析装置になります。コストも他機種とくらべて安価です。検査方法はスライドに血液を滴下してそのスライドを機械に入れるだけなので、非常に簡単です。1検体に約7分時間がかかります。スライドには現在「起立不能用スライド」「肥育用スライド」「子牛用スライド」の3種類があります。今後もスライドの種類は増えてくると思います。血液検査の項目の選定については獣医さんによりいろいろと見解の相違があると思いますが、いろいろな検査項目の組み合わせができるようになってくると面白いですね。

試しに「肥育用スライド」の内容をみてみますと・・・

AST、BUN、Cre、GGT、TCHOの5項目が1回の測定で調べることができます。

ASTとGGTで肝臓のダメージの程度を把握できます。
BUNとCreで腎臓のダメージの程度を把握できます。
TCHOで肥育牛の採食状況や栄養状態等がどの程度あるのかを把握できます。

「肝腎要」ということばがあります。肥育牛では肝炎、腎炎は生産性を低下させる大きな要因となります。わずか5項目かもしれませんが血液検査を実施して「肝臓と腎臓に問題があるのか、ないのか?」ということがわかるだけでも、診断の精度は大きく向上します。もちろん、この検査項目だけでは十分ではない場合もあると思いますが、簡単・迅速に検査をして情愛を確認することは非常に有効な手段であると思います。

血液検査が簡単に実施できない地域や診療施設やオンファームで検査を実施したい方は、お手軽に実施できる小型の血液検査装置を持っておくのはいいかもしれませんね。
 
 
 
 
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