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蓮沼浩のコラム
第273話: タ、タマが残っとる・・・・(その7)

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2012年4月12日

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 陰嚢のチェックで一番大事なことはやはり触診。心を無にして触診していきます。観血去勢であれば時々メスで切った傷痕に触れることがあります。この痕を触診して「あ、この子牛は観血法で去勢したんだな。それならば精巣はしっかり取れているぞ。」と診断の参考にします。観血法の時は精巣が残っていることは基本的にありません。しかし、時々精索が異様に腫れあがっていたり、膿瘍を作っていたり、妙な肉芽が出来ていたりなどなど去勢失宜による病変に触れるときがあります。このような時は当診療所ではきれいに肉芽などの摘出手術をしておきます。肥育が始まる前であれば適切に処置をしてあげれば問題ありません。これは非常に重要なことで、これをしておかないと後々肥育が進んで大変なことになります。詳しくは伏見獣医師のコラム158160話を参考にしてみてくださいね。でも観血法であればとにかく精巣はとれているので安心です。次回は超重要なバルザック去勢の去勢判断について述べようと思います。
(つづく)

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