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伏見康生のコラム
「NO.158 「玉腫れ その1」」

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2011年10月26日

 肥育農家さんに素牛が導入されると、私たちはビタミン、ワクチン、抗生物質等のウェルカムショットを行います。そのときに合わせ、肺音の聴診や玉の触診を行い導入牛に問題が無いかを確認します。
 当然多くの場合は何にもないのですが、ときに以前紹介した玉残りの「玉ちゃん」や、それ以外にも問題のある牛が見つかることがあります。

 もみもみ・・・もみもみ・・・去勢牛がたくさん導入されたときには玉から玉へと揉み渡り続けます・・・牛界では私は相当の玉モミストとして認知されているかも、などと考えながら揉み続けます・・・もみもみ…も?…み??
 硬い。そして熱っぽい。なんだか、本来の玉とは違ったカターい組織を触知した場合、それは化膿性肉芽腫性炎かもしれません。

 去勢中あるいはその後の汚染で玉が化膿してしまい、パンパンに玉腫れした子牛を見たことがある人は多くいらっしゃると思いますが、今回お話ししたいのはその進行型といいますか、その玉腫れを抑えることができなかったときのお話しです。

つづく

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