(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
加地永理奈のコラム
OPU-IVF卵の子が産まれました

コラム一覧に戻る

2022年9月14日

嬉しいことに、先日農家さんでOPU中に、1年前のOPUで作成した受精卵の子がちょうど生まれてきてくれました。

後ろ足からでしたが正常な体位で出てきたようです。私は卵子を吸引している最中だったため、出てくる瞬間を拝見することはできませんでしたが、農家さんによる適切な介助の結果、無事に娩出されました。子牛も健康で、過大児といった先天的な問題もありませんでした。このまますくすくと育ってほしいです。体外受精卵というと、過大児の問題が連想されますが、現在そのリスクは大幅に改善され1%を切るほどになっています。ただOPU-IVF卵に関わらずですが、念のため分娩予定日を過ぎたら注意していただき、大きさによっては獣医師の診断のもとに分娩誘起等の処置も検討すると良いでしょう。
これまでもOPUで作成した受精卵が受胎したという嬉しいご報告は受けていましたが、実際に生まれてくる瞬間に遭遇できたのは初めてでした。顕微鏡で見ているあの未成熟卵子が本当に牛の形になった!という感動は大きいですね。今回それを味わうことができたので、これからのOPUも頑張れそうです。

 
 
 
 
今週の動画
【検査】血液検査項目の紹介ー白血球編ー

|