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加地永理奈のコラム
特定家畜伝染病防疫指針③

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2022年8月24日

豚熱などの特定家畜伝染病が発生してしまったときに行われる防疫措置について、最後にお話しするのは移動制限についてです。

・通行制限
発生の確認後、管轄の警察署及び関係自治体の協力を得て、発生農場周辺において、通行制限又は遮断を行います。
このとき、移動制限区域と搬出制限区域の2つが設定されます。これは伝染病ごとに範囲が決められていて、範囲の広さからも感染力の強さが見て取れます。

豚熱の場合は、発生農場から半径3㎞以内が移動制限区域、半径3㎞から10㎞が搬出制限区域と定められます。感染拡大とまん延防止の観点から、文字通り一定期間、この区域の中では生きた豚や死体を移動させること、あるいは搬出させることが制限されます。各区域の間には消毒ポイントも設置されます。

この制限を解除するためには、これまでお話したような防疫措置が完了してから一定期間経過後に清浄性確認検査を行います。その後農場にウイルスが侵入していないこと、新たな発生がないことを確認するために実施する検査です。これで陰性が確認されれば、制限解除となり防疫措置完了となります。

家畜伝染病でもこのような移動制限を行うように定められているのを知ると、新型コロナウイルスの流行で人の移動が制限されてしまうのも理解できますね。

 
 
 
 
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