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笹崎直哉のコラム
なぜ隔離すると良いのか考えてみた

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2022年8月23日

今日は牛の習慣性に関連するコラムです。
先日なぜ体調の悪い牛さんに対して隔離が効果的なのかを考えてみました。
跛行などの運動器疾患、肺炎などの呼吸器疾患、ルーメンアシドーシスなどの代謝性疾患、、、いろいなケースで患畜を隔離するよう指示を行いますが、隔離後は症状が改善することが多いように思います。

ではなぜこんなに効果があるのか、その一つに牛さんの生活習慣が関与しているのではないかと思いました。
放牧地を想像すると分かりやすいですが、基本的に牛は群れで行動します。1頭1頭が程良い距離を保って行動するのではなく、ギュッと集まってグループを作ります。

もし体調の優れない牛がいても他の牛が接触する可能性が高く、その機会が増すほどストレス負荷が大きいのではないかと思います。そっとしておいてくれれば良いのですが、なかなかそうは行きません。群でたまたま1頭治療しようと捕まえて保定すると、他牛が興味津々になって寄ってきます。

そう考えると隔離はかなり効果的でそれ以外にも隔離は個別に給与飼料内容や給与量を変更したいときにもお勧めです。その牛さん専用の飼槽があるわけなので、残飼もしっかりチェックできます。

隔離を必要とする牛さんが発生する可能性を考慮し、各牧場に隔離専用の部屋を設けてあげてもよいですね。
 
 
 
 
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