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加地永理奈のコラム
特定家畜伝染病防疫指針①

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2022年8月10日

伝染力が強く致死率が高い以下の7疾病については、「特定家畜伝染病防疫指針」というものが定められています。
① 牛疫
② 牛肺疫
③ 口蹄疫
④ 牛海綿状脳症(BSE)
⑤ 豚熱
⑥ アフリカ豚熱
⑦ 高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザ

これらの疾病が発生した農場で、まん延防止のためにとるべき手順についてマニュアルが決められています。その手順について、今発生が問題となっている豚熱を例に紹介します。

豚熱にかかったと思われる豚を発見したという通報が各都道府県に入ると、家畜防疫員(獣医師)が現場へ急行します。そこでまず行うことが次の3つです。
• 蔓延防止措置を指導
全ての動物(死体も、豚以外の動物も)・生産物(精液、排泄物など)・機材等の移動自粛、ヒトの移動自粛について指導し、蔓延防止のための消毒を要請します。
• 病畜の調査
症状・病変、死亡頭数を調査し、サンプル採取と簡易検査を行います。そしてこれらの結果を家保へ報告します。カメラで写真も撮影し、送付します。
• サンプルを病性鑑定施設へ搬送
豚熱と思われる豚から血液を採取、他にも必要な検体を採材して病性鑑定施設へ送ります。送られたサンプルで、豚熱かどうかの詳しい判定が行われます。
 
 
 
 
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