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加地永理奈のコラム
家畜伝染病予防法第16条

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2022年8月3日

栃木県内の養豚場で豚熱(CSF)が発生し、現在殺処分が行われています。
豚熱はウイルスによって豚やいのししがかかる熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。感染した豚は、唾液、涙、糞尿中にウイルスを排出し、感染豚や汚染物質との接触により感染が拡大します。

豚熱が発生した養豚場における殺処分は「家畜伝染病予防法」という法律に基づいて行われているものです。この法律は、家畜の伝染性疾病の発生を予防し、まん延を防止することにより、畜産の振興を図ること目的としています。

強い伝染力と高い致死率が特徴の家畜伝染病のうち以下の6つの疾病について、「家畜伝染病予防法」で家畜防疫員の指示に従った「とさつの義務」というものが定められています。
① 牛疫
② 牛肺疫
③ 口蹄疫
④ 豚熱
⑤ アフリカ豚熱
⑥ 高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザ
これらの疾病は、治療法もなく、発生した場合の家畜業界への影響が甚大です。
もし豚熱の発生を確認しても何もせず放置したら、感染豚がウイルスを排出し続け、畜舎内にウイルスがまん延、さらに人や車などが別の農場へも媒介して、国内の養豚が全滅、なんてことも考えられてしまいます。
こういった家畜伝染病が国内に入ったとき、まだ感染していない家畜への感染拡大を防ぐために、このような法律が定められ、早急にまん延防止にむけた対応がとれるようになっていま

目に見えない病原体との闘いは容易ではなく、なかなか終わりも見えないこと、新型コロナウイルスの流行により日々実感しています。
 
 
 
 
今週の動画
【UV法】Body condition score ( part 1 ) UV法について その1

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