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第702話:検査について |
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2022年8月2日
あまりの暑さに驚いています。汗の量が半端ありません。暑熱対策は牛さんだけでなく、ヒト様もしっかりとしないといけませんね。
小生は牛さんの臨床の世界では、検査が非常に重要と考えています。適切な検査を行うことが、しっかりとした診断につながり、牛さんや農家さんにとってお役に立てると信じています。しかし、検査といってもいろいろな種類があります。シェパードではどのような検査をしているのでしょうか?
まず現場で行う検査を思いつくままにざっくりと紹介してみましょう。
直腸検査
聴診器や体温計を用いた身体検査
超音波検査
次に、検体を採取して診療所で行う検査を紹介してみましょう。
糞便検査(顕微鏡・検査キット)
尿検査(顕微鏡・検査キット)
牛伝染性リンパ腫検査(ELISA)
血液妊娠鑑定(PAG)
血液塗抹検査(顕微鏡)
外部寄生虫検査(顕微鏡)
そして最後に検査機関に出す検査を紹介してみましょう。
一般的な血液検査
様々な検体(鼻腔スワブ・糞便など)からの病原性微生物の検査
粗飼料などに含まれる硝酸塩やマイコトキシンなどの分析
他にもまだあると思いますが、ざっとあげるとこのような検査を日々実施しています。血液検査などは、休みの日を除いてほぼ獣医師の誰かが毎日実施しています。
ただ、検査体制がしっかりと構築できていない診療施設の話を聞くこともあります。実は検査体制を構築するのは意外と難しい面があります。
まずは検査体制を構築するための初期費用。当然、費用対効果の問題も考えなくてはいけません。検査頻度の問題もあります。シェパードではポータブルエコーなどは一人1台もっており診療でバンバン使うのですが、ほとんど使わない機材等もあります。検査キットなど、気が付いたら期限切れなどということもあり、なかなか難しい問題があります。また、検査したくても受け入れ先がなかったり、手間や時間が非常にかかってしまったりする場合もあります。
検査体制を構築することは非常に重要なのですが、なかなか一筋縄ではいかない面があり難しいところです。
必要な検査をストレスなくスムーズに実施できる体制の構築。
口で言うのは簡単ですが、結構難しいです。
今週の動画
【UV法】Body condition score ( part 1 ) UV法について その1
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