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蓮沼浩のコラム
第701話:「悟る」ということ

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2022年7月19日

最近滅茶苦茶忙しくて「ふな釣り」に行けていなかったのですが、「忙しい」を理由に行かないのは怠慢であると考え、例会に出席。運よく尺上(しゃっかみ)を20枚以上あげることができたので上位に食い込むことができました。やはり行動することは大事であります。

「悟り」をひらくために、多くの方がお寺などで修行をしています。小生のような俗人には悟りをひらくことは、遥か彼方であります。しかし、獣医さんも日々診療をしている中で、この悟りに近い感覚と思われる状態になることがあります。ちょっと悟りと比較するのはおこがましいですが、ある時「わかった!!このことか!!」と心底納得することが出来る時があります。

ここで重要なのは、この感覚は理屈では体得できないということです。例えば、悟りをひらいた方が「悟りとはカクカク、シカジカの状態である」といくら説明しても、今から悟りをひらこうとしている人が本当の意味で悟りを理解することはできていないと思います。実際に何年も修行をしてあるとき「あ!!!これが悟りか!!」と気が付くのではないでしょうか。頭ではなく、体でわかることがこの世の中にはたくさんあるように思います。

例えば、簡単な例でいえば頸静脈に血管注射などの処置をするときに「血管を注射針が切る」感覚というものがあります。「ぷちっ」とか「ぷつっ」と少し弾力のあるところを突き抜ける感じがします。ただ、頭で理解していても本当にこの「血管を注射針が切る」感覚を悟るためには、何回も血管注射をするしかありません。ある時「ああ、これが血管を針で切る感覚か~~」と納得します。現場にはこのような「なるほど、このことだったのか~~~」と思えることがそれこそ数えきれないくらい存在しています。

先日小生も似たような経験をしました。新しい獣医療の技術に取り組んでいたのですが、なかなかうまくいきません。しかし、心身ともにボロボロになりながら常に考えて取り組んでいたら、ある時「嗚呼、こうすればよかったのか!!!」と突然悟りました。とにかくつべこべ言わずにやり続ける。非常に大切なことだと改めて思いました。

地道に考えながら継続する。時には考えることをやめて粛々と継続する。きついこともありますが、とても大事なことだと思います。簡単にいろいろと悟ることは難しいですが、ひとつでも多く「ああ、こういうことだったんだ!!」と様々な事を悟れるようにこれからも頑張りたいですね~。
 
 
 
 
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