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戸田克樹のコラム
第368話「オノマトペ」

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2022年8月1日

擬音語ともいいますが、ものごとの状態や動きを音で象徴的に表現したことばをオノマトペ(Onomatopoeia)といいます。診療をやっていると、オノマトペが満載です。

「歩くときにチッカチッカする」
足を気にしながら歩く様子をチッカチッカと表現される農家さんがいます。
「膝がぐらぐらする」
骨軟症や骨折のときに使われる表現です。
「ゴゴゴゴゴーっていう音がしますね」
ルーメンの蠕動運動が良好なときにこうやって説明します。
「ジャバジャバいいますね」
ルーメンアシドーシスや激しい腸炎で左、あるいは右けん部で拍水音が聞こえるときに言います。
「ヒューヒュー/コポコポ/ガーゴー」
肺炎牛が呼吸するたびにどのような肺音がするかを説明しています。口笛音、捻髪音といった名称がついていますが、それよりもこうした表現の方が伝わりやすいですね。
 
 
農家さんと獣医師とのコミュニケーションだけでなく、獣医師同牛の意見交換の際にもこうしたオノマトペは飛び交います。跛行、振戦、拍水音、捻髪音など、その音にも正しい名称はついているのですが、それらで会話するよりも伝わりやすく理解が速やかという利点がオノマトペにはありますね。

それでは今日もジトジトする暑さに負けずにシャキっと背筋をのばして仕事をガシガシこなしていきましょうか!
 
 
 
 
今週の動画
【UV法】Body condition score ( part 1 ) UV法について その1

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