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前村達矢のコラム
ブスコパン、使ってみませんか?

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2022年7月29日

皆さん、ブスコパンという錠剤をご存知でしょうか?ドラッグストア等で購入できる薬なのですが、牛にも結構有効なので今回はこれをご紹介したいと思います。

まずはどういう時に使えるのかについてですが、一言で言ってしまうと「お腹が痛そうな時」です。例えば、下痢をしていて丸まっているとか、ミルクの飲みが良くないとかの時ですね。

こういうケースでは、胃や腸が痙攣を起こし腹痛を感じていることがあるのですが、ブスコパンはこの痙攣を抑え痛みを軽減する働きがあります。

どのようにして痙攣を抑えているのかついても少しだけ。
まず、胃や腸など内臓の筋肉が動く(今日の話では、痙攣のことを指します)ためには、神経を通した指令を受ける必要があります。これは人間が誰かに指示されて、それに従って動くのと一緒ですね。
そして、この指令を担っているのがアセチルコリンと呼ばれる物質なのですが、ブスコパンはこの物質を身体が受け取れないようにする働きを持ちます。
指示は出てるんだけど、耳栓されて何も聞こえないから動けない!みたいな感じです。

特に子牛での使用をお勧めしたいのですが、1~2錠を症状の重さに合わせて直接口に入れてあげるやり方が良いと思います。
ミルク飲みが悪い子なんかは、飲ませる30分くらい前に与えると、ちょうど腹痛が治まり飲んでくれることも多いです。

直接的に病気を治すという薬ではありませんが、症状の軽減という意味では使いやすいと思います。1錠60円程だと思うので、是非試して見てください。
 
 
 
 
今週の動画
【UV法】Body condition score ( part 1 ) UV法について その1

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