(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
藤田真千子のコラム
No.42 こんなときに輸血

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2022年7月14日

前回輸血について少し書いたので、どのようなとき輸血をおこなっているかお話しようと思います。

①子牛の激しい下痢
一番輸血の機会が多いのが、子牛の下痢かなと思います。1週間前後でロタやコロナ、クリプトの混合感染などにより激しい下痢を発症し、輸液をしても状態が改善されないときに輸血を選択します。このような状態の牛はミルクも飲めていないことが多いので、輸血で栄養分も補ってやります。アミノ酸なども一緒に点滴しても良いですが、ほとんどの症例では輸血のみで回復しています。

②新生子の低体温
特に冬ですが、低体温の子牛に遭遇することがあります。難産や早産であることが多いです。保温+輸血により数時間後には38℃台まで回復していることが多いです。

③発熱を繰り返す子牛
治療しても発熱を繰り返す、血液検査でコレステロールや総蛋白が低いというような免疫低下を疑う子牛(虚弱子牛?)にも輸血を行うことがあります。輸血後には発熱が落ち着くことが多いです。

輸血が必要になる状況にさせないことが第一ですが、それでも状態が悪くなってしまったときには輸血により助けられる命もあるのかなと思います。
 
 
 
 
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