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笹崎直哉のコラム
プレガストリックエステラーゼ(PGE)ってご存知ですか?

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2022年7月12日

先日阿久根市商工観光課の方から有難いことにGWイベントに引き続き、夏祭りのダンス出演依頼をいただきました。ただここ最近は「夏バテ&肥満傾向」なので、体を引き締めないとショー中に倒れるかもしれません。今日から仕事終わりの運動を取り入れようと思います。

さて今回はプレガストリックエステラーゼの紹介です。聞きなれないワードだと思いますが、せっかくの機会なので共有します(※アメリカのSFアクションに登場するメカの名前ではありません)

さっそくこちらの写真をご覧ください。

美味しそうに母乳を飲んでいますね。注目して頂きたいのが枠で囲んだ部分です。よくみると唾液を沢山だしていますね。哺乳の際、乳首に吸い付くと同時に唾液を分泌するのですが、唾液に含まれる酵素こそが今回紹介したいプレガストリックエステラーゼ(以下PGEと称する)になります。この酵素は「脂肪分解」という働きを担ってくれます。
代用乳、母乳を代表とする液状飼料の脂肪は、唾液に含まれるPGEによって加水分解されます。PGEの生成は吸乳や飲乳により刺激を受け、自然哺乳はもちろんのこと人工哺育でも哺乳ボトル、哺乳バケツからの吸乳は大きな刺激となります。ただPGEは加齢に伴い消失するといわれているため、哺乳期での働きが注目されています。
一方、膵臓から分泌されるリパーゼが脂肪の分解をしてくれるのでは?と疑問に思う方がいらっしゃると思います。
実は哺乳期において脂肪分解酵素リパーゼの分泌は日齢が若ければ若いほど不十分であることが分かっています。よって哺乳で唾液をしっかり分泌させてPGEの産生を促し脂肪の分解をサポートさせてあげるのが重要なのです。
もし消化不良性の下痢等でお悩みの場合は一度哺乳の方法を見直していただき、ゆっくりと時間をかけた哺乳に変更することで唾液が沢山分泌され、消化不良性下痢の発生低減効果が期待できるかもしれません。
 
 
 
 
今週の動画
BCS 肉用牛のBCSについて

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