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加地永理奈のコラム
英語論文を読むとき

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2022年7月6日

獣医学その他の最新情報を知りたいとき、英語で書かれた論文を読む機会があります。最新の研究成果の多くは、世界中の人に読んでもらうために英語で書かれているからです。先輩の獣医の先生からパッと英語論文を紹介されることもあります。
しかし英語に苦手意識のある私には、頭から全部読むなんて相当な気合いと時間が必要です。そこで今回は英語論文の読み方について、私が優先して読んでいるところをご紹介しようと思います。

① まずはタイトル(Title)
英論を読もうとして最初に日本語に訳すのはタイトルですよね。タイトルは論文の核心部分を短く的確に伝えるために、工夫してつけられています。タイトルに結果まで書かれていてわかることもあるので、まずはタイトルを読んで間違いありません。

② 要約を読む(Abstract, Introduction)
要約を読めばその論文の全体像を掴むことができます。英論を読むとき、長い本文を読み始める前に、短い要約の中から「何をしたのか」「何がわかったか」を探し出すところから始めるのが良いと思います。手っ取り早く論文の内容が知りたい場合には、要約を一気に翻訳ツールにかけてしまうのがオススメです。

③ 図表をみる(Figure, Table)
図表からは、視覚的に実験内容や結果を知ることができます。さらに図表にはそれぞれキャプションと呼ばれるタイトルがあり、「何をしたか」「どのような結果か」簡潔な説明文がつけられています。これが一番のオススメ和訳ポイントです。図表の説明文さえ読めば、本文を読まなくても最低限の情報が得られるようになっています。

④ 結論を読む(Conclusion, Discussion)
著者がその論文を通して一番伝えたいことがまとめられている箇所です。図表では結果のみが語られ、解説や考察までは書かれていないことが多いです。そのため、それぞれの図表の結果から「何がわかったか」については、この結論の箇所から探し出します。

⑤ 図表について本文中で書かれている箇所を探す(Result, Materials and Methods)
図表とその説明文だけでは理解しきれなかった部分については、実験方法や結果について詳しく書かれた本文を読んで情報を膨らませます。図表番号が引用されている文章を探して読んでいます。

このように、図表から得られる情報を軸に読んでいくと、英語論文も少し読みやすくなるかなと思います。英論にチャレンジしたい方はぜひ参考にしてみてください。
 
 
 
 
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