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加地永理奈のコラム
体温以上の暑さ

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2022年6月29日

昨日農場を出るときに時計を見ると、そこに表示されていた気温は38.8℃でした。日陰でこれです。連日、体温と変わらないか体温以上の気温でばててしまいます。

先日、アメリカでは猛暑が原因で少なくとも2000頭の牛が命を落としたというニュースもありました。

家畜にはそれぞれ臨界温度というものが存在します。これ以上の気温になると生産性に変化が出始める温度のことです。家畜では低温よりも高温の臨界温度の方が大きな問題となります。
高温臨界温度は、牛で24~29℃、豚で25~30℃、羊で29~30℃、鶏で30~33℃と言われています。
これを超えると、採食量が低下する、食べても増体や乳量に反映されない、肉質や乳質が落ちる、繁殖機能が落ちる、といった影響が出ます。

牛舎では対策として大きな扇風機がまわっていたり、ミストが散布されていたりしますね。私もそれにあやかって、牛と一緒に涼ませてもらっています。また、ハンディタイプの扇風機を持ち歩くようにしました。
風は、体熱放散に大きな効果をもたらします。風速1m/secごとに1℃程涼しく感じるそうです。しかし、ここ数日の気温は高温臨界温度をはるかに上回っています。気温が体温より著しく高温の場合には、風が逆に強い暑熱感を与えてしまいます。サウナの中で風を送るロウリュのような状態です。牛舎の気温が上がってしまわないように、換気、散水による冷却、遮光、遮熱シート、飼育密度を下げる、徐糞、などなど、色々な出来る対策をとっていきましょう。
6月のうちからこんな気温で参りますが、牛も私たちも倒れてしまわないように、十分に気を付けていきましょう!私たち人間も、水分塩分補給と休憩をしっかりと!
 
 
 
 
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