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前村達矢のコラム
子牛の異常発酵の原因で考えられること

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2022年7月1日

ヒトも牛もグッタリなるような猛暑が続いていますね、、
那須塩原では明後日くらいから、この暑さも一旦少し落ち着くようなのでもうひと踏ん張りですね〜

さて今日は哺乳子牛の異常発酵によるガスについて、僕が不思議に思っていることについて少しお話ししていきたいと思います。
「子牛でガスが張った」との稟告で診療をした際に、ホースを入れてガスを抜いたり、場合によっては第一胃内のミルクをそのまま除去する事があります。

ここで最近気になっているのが、結構多くの場合にお腹を揺らすとチャポチャポ聞こえるなあという事です。(主にミルクなどの液体成分が、一胃あるいは四胃、腸などに溜まっているということです)また、そういった子牛は腸炎による下痢をしているケースも多い感覚があります。

腸には「これ以上、こっちに食べ物を流さないで!」と、第四胃の運動を抑えたり胃の出口を小さくする”腸胃反射”という働きがあります(胃酸や消化酵素の分泌などの機能を抑えることもあるのでしょうか?)
お腹を揺らした時にチャポチャポ聞こえるのは、腸胃反射により四胃より手前側に液体が溜まりやすい状況から起きてることもあると疑っています。

つまり、異常発酵はこの反射がきっかけで起き、この反射は腸炎などの原因でその機能が低下した場合に起こるのでは、と整理しています。

よく異常発酵やルーメンドリンカーの原因と言われてるミルクの管理やニップルの大きさ以外にも、この辺りも頭の片隅において対応していければと思っています。
 
 
 
 
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