(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
前村達矢のコラム
断乳についてのお話②

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2022年6月24日

前回はどういう状況のときに断乳をするのが好ましいのかについてのコラムを書かせていただきました。
今回はその続きとして、具体的な方法についてお話していきたいと思います。

僕らがよく農家さんにお願いしているのは、朝夕どちらかあるいは丸1日ミルクを完全に抜いて、代わりに電解質を与えるというやり方です。ちなみに、ミルクを与えない時間は子牛の症状に応じて選びます。例えば、飲んだミルクを処理できていないために水下痢をしていたり、お腹もチャポチャポいって元気がないときは丸1日抜いて貰いますし、まだそれよりも症状が軽いという時は半日抜いて貰うという感じです。

次に、一度断乳をしたあとのミルクへの戻し方についてです。理想は徐々にミルクの量を増やしてあげたいところですね。例えば、まずはミルクと電解質を半々にしたものを与え、次にミルクのみに戻すなどですね。
人間がお腹を壊した時も同じで、ちょっと回復したからと言って、いきなりコッテリラーメンなど食べたらまた調子悪くしてしまいますもんね。

最後に、断乳せざるを得ない原因として結構多いなと感じる消化不良性の下痢について少しだけ。
同じ子牛でも和牛とホルスタインや、生まれた時の身体の大きさ、胃の大きさや消化能力などは結構バラバラです。生後日数に合わせたマニュアルでの哺育をする事で、その子が持つミルクの処理能力に対して与えている量が多いというケースが時々あるように感じます。ミルクの飲みが落ちてきたり、薬でも下痢が治らない、ぐったりしているなどの状況のときには、一度このケースを疑ってみて、必要そうなら断乳を選択するというの是非オススメします。

以上、断乳についてのコラムでした。
参考になれば幸いです。
 
 
 
 
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