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加地永理奈のコラム
ショックとは②

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2022年6月15日

ショックを引き起こす原因を大きく3つにわけて説明します。

1.循環血液量減少性ショック
体を循環する血液量が急激に減少することで起こるショックです。静脈でかえってくる血液量が減少すると、心臓から送り出せる血液量も減少します。そして前述のようなショック状態となります。
外傷や内臓破裂等などにより大量に出血した場合や、激しい嘔吐下痢または熱傷などにより体液が喪失した場合が当てはまります。
頸静脈の怒張はみられず、拍動が弱く早く、末端は冷たくなります。
処置としては輸液をまず行い、出血があれば急いで止血します。輸血が必要になる場合もあります。

2.心原性ショック、閉塞性ショック
心機能不全が原因となり、心臓から血液が送り出せなくなることで起こるショックです。
わかりやすい例として心筋梗塞心筋症など心臓が収縮できない場合があります。心タンポナーデ(心臓と心膜の間に血液などが貯留した状態)や緊張性気胸(肺と胸壁の間に空気が貯留した状態)でも、心臓が充分に動くことができず、血液が送り出せなくなります。他にも、心室細動徐脈といった心拍リズムの異常や僧帽弁閉鎖不全症といった心臓の奇形もこれに当てはまります。
心臓で血液が渋滞してしまうため、循環血液量減少性ショックとは反対に頸静脈の怒張がみられます。

 
 
 
 
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