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加地永理奈のコラム
ショックとは①

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2022年6月8日

今回からショックについてお話します。
前回コラムでは大腸菌性乳房炎のエンドトキシンショックのお話をしました。他にもアナフィラキシーショックなど、現場でショックについてお話しすることがときおりあります。
日常会話で使う”ショック”は、びっくりしたこと、急な衝撃を受けたことの意味ですが、臨床で使う”ショック”はそれとは異なります。

臨床的にショックと言われる状態は、チアノーゼ、皮温低下、呼吸促迫、血圧低下、心拍数増加、心音微弱、尿量減少、意識混濁、虚脱(倦怠感)など様々な症状があらわれるもので、その病態は刻々と変化します。
ショックとは、一言でいうならば急性全身性循環不全です。何らかの原因で全身への血流が不足し、酸素や他の栄養素を運ぶことができなくなり、全身の細胞や臓器が障害されるために上記のような症状が起こります。これらの症状は生命の危機に至るものなので、牛さんがこうなっていたらすぐに教えてください。

ショックが起こった体の中では、低酸素により細胞が変性、壊死します。臓器をみると、微小な血栓を形成したり、血管壁が傷害されて出血していたりします。
 
 
 
 
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