(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
藤田真千子のコラム
No.37 もしかして空胎?

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2022年6月9日

予定日過ぎても全然産まないんだけど…本当に入ってる?見てほしいんだけど…
と相談されることがよくあります。
先日も2週間過ぎても産まず、確認してみると空胎だった、という牛に出会いました。

そこで今回は、農家さんも気になったらぜひ手を入れてみましょう!というコラムです。

人工授精の免許を持っている方はもちろん、直検をほとんどしたことがない人でも少し練習すればわかるようになります。はじめは獣医師と一緒にやってみましょう。

ただ、牛に蹴られやすいのでそこだけご注意ください。(いつも牛と接している農家さんには余計なお世話かもしれませんね…( ˘ω˘ ))

分娩前1ヶ月であれば、多くの場合、直腸検査をすればすぐに触れる位置に胎子は上がってきています。

頭とか前肢が触れることが多いです。はじめはゴツゴツした硬いものに触れるな、くらいでオッケーです。そのように硬いものは母牛の内臓には無いので、胎子です。少し待っていると、胎子の動きが分かることもあります。動かなくても、肢や頭を軽くつねるとびっくりして動くことが多いです。

もちろん、獣医師に頼める時は頼んで下さいね。

分娩直前で空胎が発覚した場合、どの段階で落ちていたのだろう…という話になりますので、胎齢別の胎子のサイズ表を載せておきます。胎子の体長(頸部は湾曲した状態で測ります)は妊娠5か月でおよそ35㎝、6か月で48㎝、7か月で63㎝…とぐんぐん成長していきます。このようなサイズの胎子であれば、もし流れていたら見つかる可能性
が高いのかなと思います(放牧では難しいと思いますが…)。


 
 
 
 
今週の動画
【1:28】牛のあっかんべ~!? stick out tongue of cattle

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