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松本大策のコラム
製造原価の値上がりに思うこと

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2022年5月23日

 新垣結衣さん、星野源さん、ご結婚1周年おめでとうございます!
 なんてことは僕にはまったく関係ありませんが、とりあえず今回はいまの畜産を取り巻く製造原価の高騰について、僕が考えていることをお話しします。こちらはまったくおめでたくないですよね。

 まず、僕が考えている一番の問題点は、製造原価の高騰ではなく、製造原価の値上げが畜産製品の売値に反映されない!ということです。だって、売値に反映されるなら、飼料が値上がりしても燃料が値上がりしてもまったく問題ないですよね?

 牛肉だって、テレビのバラエティー番組では、芸能人が特選牛をありがたがってすごくおいしいと食べています。僕は霜降り至上主義者ではありませんが、この国で作られる牛肉の大半は、昔で言うと極上・特選クラスです。それが2年以上の年月をかけて飼育され、6tほどの穀物も与えられて、丹精込めて作られるものです。
 お菓子やラーメンでも「心を込めて丹精に作りました。」というとありがたがられるのに、丹精を込める時間から言うと、お菓子やラーメンよりもずーーーっと長い時間、丹精込めて作られたお肉は、なぜ評価されないのでしょうか。
 テレビでも芸能人や食事レポーターの方たちも「甘―い、とろける~、歯がいらない(それならプッチンプリンでも食ってろ!あ、すみません私情が入りました)」と評価しているのに、値段はつかない。

 乳価だってそうです。原油が上がったらガソリン代も値上げされるのに、飼料が高騰しても乳価にはまったく反映されない。こういうことを言うと「需要と供給のバランスが市場経済だから」とか言われそうですが、その「供給」をクラスター事業などで増やしたのは、この国ではありませんか。

 こんなことを書いても、タダの愚痴ですが、これを読んだ方が「やはりおかしい」と立ち上がって力を合わせれば、必ず改善できることだと思います。
 逆に改善しなければ畜産農家さんはかなり倒産を余儀なくされ、そうなると飼料メーカーさん、動物薬メーカーさん、それらのディーラーさん、獣医師、それらを監督する官僚の方々まで仕事をなくすことになると思うのですが。

 
 
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