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バリウム団子とベリ末団子 |
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2022年5月13日
下痢対策で生菌剤や添加剤を与えるという方は多くいらっしゃると思います。
そこで今回はシェパードでよく使う2種類の団子についてお話ししたいと思います。
まずはコラムでも何度か登場しているバリウムを用いた団子についてです。
バリウムの主な効能は
①細菌の吸着効果②栄養を吸収する為の腸絨毛を伸ばす効果③免疫活性効果
の3つがあります。
そして、実際に使う量はこんな感じです。
通常時・・・10g × 朝晩2回 合計20g/日/頭
水様便など重篤な場合・・・30g × 朝晩2回 合計60g/日/頭
注意点としては、バリウムは血便を起こすクロストリジウムや、その他ウイルスに対する吸着効果は薄いという点です。というのも、バリウムは細菌のもつ鞭毛を絡めとるようにしてキャッチし体の外に追い出すという仕組みを持つため、鞭毛をもたない病原体に対してはあまり有効ではないのです。
とはいえ、実際に毎回検査をするというのも難しいと思うので、下痢が出たらまずは使用してみるというのも良いかと思います。

次にベリ末団子についてです。
ベリノール末は、収れん作用といって腸粘膜の炎症を取ったり、腐敗発酵を防ぐ働きがあります。個人的にも、悪臭を伴う下痢に対してや、下痢かつミルク飲みが悪いという子牛に対して有効と感じることが多いのでオススメです。
大体の量の目安は、子牛なら1回半袋(25g)、育成なら一袋(50g)、あとは体重に応じて増量という形で使用しています。

現在の巡回先でも、まずバリウム団子の使用、治りが悪ければベリ末団子への変更という形を取っています。多くの場合がいずれかで良くなる事が多いですね。
もちろん、それでも治らない手強い下痢もあり、その時は頭を抱えて対策を考える事になります^^;
どこの農場でも必ずと言っていいほど行う下痢対策、参考になれば幸いです!
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