2022年5月11日 前回に引き続きかゆいシリーズです。 診察中の牛をじっと観察していると、フケだと思っていたものが何やら動いているのがわかりました。何の生き物か判定するため、毛ごとむしり取って持ち帰り顕微鏡で観察してみました。 正体はハジラミでした。 この牛も痒いところを柵などに強くこすりつけていたようで、一週間で禿げた範囲が広がってしまいました。畜主さんにかゆい背中を掻いてもらうと、たまらん!といったこの表情でした。 ハジラミがいるとわかったら、フルメトリンを含む外部寄生虫駆除薬をかけましょう。この駆虫薬は蚊取り線香と同じ機序で、神経に作用して麻痺させることで殺虫効果を示します。ただしこの薬も、卵にはほとんど効果がありません。卵から孵化してきたところをターゲットとするために、1~2週間間隔で2~4回は処置を繰り返すことが必要です。 |