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蓮沼浩のコラム
第695話:迷走する戦略 その3

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2022年4月26日

 出張先の宿でコラム書くために集めていた新聞紙が、部屋の清掃で全部捨てられていました!!新聞のゴミと勘違いしちゃったようです。もう少しきちんと整理しておけばよかったです。床に散らかっていたのでありゃゴミと間違えますね。反省です。
 
 
 「やっぱりそうか・・・」

 見出しを見た瞬間に思いました。その見出しとは何かといいますと・・・

 「日本産牛肉に対するアメリカの関税大幅引き上げで輸出に影響か」

 日米貿易協定の関税についていろいろと調べましたが、小生の鼻糞のような頭では理解するのが非常に難しく、しっかりと理解することが出来ません。しかし、とにかく日本の牛肉輸出にとってよろしくない事だけはわかります。

 2022年3月24日に「牛肉セーフガード協議に関する合意の概要」との報告が突然農林水産省からありました。これは昨年の2021年3月18日に日本が米国産牛肉に対して発動したセーフガードに対して合意したとの報告です。

 おいおい、1年以上前の話じゃないか? なんで今頃?

 そしてこの合意があったすぐ後の2022年4月6日にアメリカは関税を3月下旬に26.4%に上げたと報告がありました。アメリカがセーフガードを発動したと一応理解しています。アメリカの牛肉に対するセーフガードなんて今まで一度も聞いたことありませんでした。びっくり仰天です。

 3月上旬から1ドル115円程度だった為替が大きく円安に動いています。本来であれば、輸出にとって「超」追い風であるはずです。日本産の牛肉をアメリカにバンバン売り込むことができるはずでした・・・

 日本にとってアメリカは世界第2位の輸出国になります。毎年順調に輸出額が増えていました。世界への輸出量を増やすことは非常に重要な戦略であると小生は思っています。しかし、ここにきてアメリカからの突然のお達し。頼みの綱である好調な牛肉輸出にブレーキがかかってしまいます。

 これまで1kgあたり日本円でおよそ5円の関税が2300円程度の関税になるって、凄くない??

 金子農林水産大臣は以下のコメントをされています。

 「アメリカに働きかけつつ、輸出動向を注視していきたい」

 「自由貿易」との御旗をもとに世界に対して関税を無理やり撤廃させておきながら、自国の都合が悪くなると途端に「鬼の関税」発動でござ~る。

 わかっちゃいたけど、田舎の「鼻糞獣医師」は思わずつぶやきます。

 「やっぱりそうか・・・」

 働きかけたら関税撤廃されるのかな?
 おそらく何もできずに「注視」するのが精一杯でしょう。

 嗚呼、さらに日本の戦略は迷走していく・・・

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