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おいしい牛肉を求めて、三方よしの取り組み(4)

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2012年3月27日

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前回は、赤身肉について少し触れましたが、まだまだサシが多い霜降り肉の
需要が多いのが現状です。

相変わらず、グルメ番組や雑誌などでは、霜降り肉の映像や写真を見る機会が多く、私個人としては、ちょっとやりすぎでは?と感じてしまうのです。
穿った見方をすれば、消費者に対しての「おいしさ」の刷り込みのようにも感じてしまいます。

もちろん、霜降り肉をまったく否定するつもりはありません。
ただ、不健康なまでにサシを入れるやり方にはいささか疑問を持ってしまいます。

では、消費者が本当に望んでいる牛肉とはいったいどのようなものなのでしょうか?

好みは十人十色、これが正解というのはありませんが、消費者に一番近い立場にいる私が最近感じることは、間違いなくサシ重視より赤身重視の牛肉選びに移行しつつあるということです。

しかし、現実は格付け制度が評価の基準となり、優秀な評価を受けた枝肉でなければ採算がとれないのです。

農家さんだけではありません。
卸し問屋も、A4やA5の評価を受けた枝肉でないと商売としてうまみが少ないのです。

例えば、夢のような話ですが、格付け評価に関係なく、
つまり、A3でもA5でも利益が出る価格で引き取ってもらえれば、農家さんはどれだけ楽に牛飼いをすることができるだろうか。

その商品に携わるすべての人に利益のでる価格で取引できれば、
みんながハッピーになれる。

そんなことを漠然と考えていたある日にのこと、
思わぬ共感者が現れたのです。

それは、ヤマト運輸のドライバーさんのご縁で知り合った、
京都の焼肉屋さん「きたやま南山」の楠本社長でした。

そして、楠本社長から和牛の常識を覆すような提案をされるのです。

(つづく)

(株)サカエヤ 代表取締役 新保吉伸
ホームページ: http://www.omi-gyu.com/

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