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藤田真千子のコラム
No.31 サイトブラシで子宮内膜細胞診

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2022年4月21日

今回はサイトブラシというアイテムのご紹介です。
これは子宮内膜の細胞診をするもので、もともとはヒト用に開発されたものです。
子宮が汚れている場合には好中球が多数採取されます。子宮内膜炎の評価が必要な研究ではよく使用されています。


(富士平工業株式会社 メトリブラシセット牛用 )

最近3回以上とまらないような牛で使い始めましたが、その後の対策を考える上で有用だと感じています。
メリット
粘液がきれいでエコーでも問題がなくても、実は炎症がある牛(潜在性の子宮内膜炎)がいるので、その発見が可能です。リピートブリーダー牛などで、本当に子宮に問題がないのか確認しておくと不要な治療を省けますよね。
実際に乳牛ではリピートブリーダー牛のうち約10%の牛が潜在性子宮内膜炎であると報告されています。

しかしサイトブラシを現場で日常的に使用されている方は少ないと思います。保険適用でもないですし、その場で診断できないのでちょっと使いにくいですよね。授精の直前に採取して通常通り授精、問題があれば翌日に子宮内薬注や子宮洗浄をおこなうのが楽なのかなぁ…(個人的にはお尻を洗ったりする準備が面倒なので(;’∀’))。

つづく
 
 
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