2012年3月26日 - 第7章 ワクチン実施上の注意 その15 - 肥育の導入時に他にできることがあります。それは「声かけ」。非科学的に聞こえるかもしれませんが、畜主さんが導入群に声をかけてあげたり、背中をかいてあげるというのは群れの安定に大きく貢献します。といっても数字的な裏付けなんてないんですけどね。ただ、比較行動学的に牛さんを考えると、ボスの力が強く、その目が行き届いている群れは安定しているのです。 牛さんの群れの中にはもちろんボスがいるのですが、実は大ボスというか、ラスボスが他にいます。それが畜主さんです。牛さんは、野生状態ではボスが群れを引き連れてえさ場や水場に移動します。そしてボスの合図で散開して餌を食べたり水を飲んだりして、またボスの合図で移動します。ですから餌や水を与えてくれる畜主さんは大ボスなのです。それに牛さんから見たら畜主さんは、牛さん集団のボスをロープかけたり引っ張っていったり、とボス以上の力を持っていると認識されています。ですから大ボスのあなたがしっかりと牛さんを管理してあげることで群れの安定が早く、群編成ストレスの収束も早くなることが充分に期待できます。 前の記事 生産性を阻害する要因(病気)を抑える(7−14) | 次の記事 生産性を阻害する要因(病気)を抑える(7−16) |