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蓮沼浩のコラム
第693話:迷走する戦略 その1

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2022年3月29日

 日本という国のひとつの象徴でもある「円」にハゲタカが群がっています。追い返す力はもうないのかもしれません・・・。実体経済への影響は必至でしょう。

 「戦略(Strategy)」と「戦術(Tactics)」という言葉があります。「戦略」とはいろいろな定義があると思いますが、特定の目的を達成するために、長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術と言われています。そして「戦術」とは、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術であるといわれています。
 もちろんどちらも非常に大切なものです。しかし、「戦術」を間違えても「戦略」が正しければ何とか挽回できるのですが、「戦略」を間違えてしまうと「戦術」がいくらよくても長期的には非常に厳しい状況に陥ってしまうといわれています。それだけ「戦略」というものは大事なものになります。

 小生、毎朝地元新聞である「南日本新聞」の朝刊に目を通しています。朝メシ食べながら読むのが日課です。何気なくいつものように3月22日の朝刊のトップをみると・・・

 「崩壊 和牛バブル」との見出し。それもデカデカと。

 思わず手に持っていた味噌汁少しこぼしました。ロシアとウクライナの問題が間違いなくトップにくると思っていたので、意表をつかれました。
 実は南日本新聞では「翔べ 和牛」という連載が3月21日から始まっています。記事の中で現在の和牛についていろいろな角度から語られています。内容に関しては、もちろんよくわかっています。そう、よくわかっているのですよ。今回の連載記事を読みながら一番新聞社の方が訴えたいことは以下のようなことではないかと小生なりに考えています。

 これからの「和牛の戦略」はどのようにしていくのですか?

 非常に難しい問題だと思います。残念ながら小生は言わずと知れた、田舎の鼻クソ獣医師です。当然「戦略家」ではなく獣医療という技術を用いて現場で働く「戦術家」であると思っています。もちろん「ヘボ戦術家」です。ただ、鼻クソなりに日々臨床現場の最前線で働いていれば、今までの戦略が通用しなくなってきていることはわかります。次回からこの問題について小生なりの独断と偏見に満ちた思いを書いてみようと思います。

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