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                No.27 高張ブドウ糖液の子宮内投与? | 
               
             
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               2022年3月24日 
              現場で子宮内膜炎を疑い高張ブドウ糖液の子宮内投与をおこなう方もいらっしゃると思います。 
どのような牛に投与されていますか?という質問のようなコラムです。完全に個人的な興味です(-“-) 
乳牛では子宮内膜炎の治療とし子宮内薬注をおこなう場合、規制のつかないイソジンやキトサン、高張ブドウ糖液などが選択肢になるかと思います。高張ブドウ糖液による治療について研究室時代に少し調べましたが、現場での利用実態などがあまりわからず…みなさんどのような個体に使用されているのでしょうか? 
・その作用は… 
水分活性の低下により細菌増殖を抑制する効果(ジャムみたいな感じ)、子宮内に水分を引っ張ることで子宮洗浄のような効果を発揮する、好中球の動員による子宮環境の清浄化?、子宮内膜細胞に栄養を与えるとか… 
といったことが考えられています。  
・条件は…? 
子宮内貯留が多すぎると希釈されてしまい、逆に細菌たちの栄養になってしまうので、エコー上で貯留の確認は必要です。高エコージェニックラインが見えるか、エコーではほぼ問題ないくらいが適用でしょうか。 
・黄体の有無は? 
子宮洗浄効果を期待するなら黄体がない時期の方が排出が進むため効果的かなと思いますが、どうなのでしょうか。 
・投与量? 
牛の大きさにより子宮容積も考慮すべきでしょうか。牛の子宮容積ってどれくらいでしょう?個人的には薄まってほしくないので多めに入れたいと思ってしまいますが、多すぎてもダメージがある可能性はあります。分娩後30日頃の健康な子宮のホルスタインに200ml投与した際には、投与直後の炎症惹起後ずるずると炎症が長引くものが見られました。授精時期のような子宮サイズが回復しているものには50-100mlくらいが妥当でしょうか。 
移植前、レシピエントへの高張ブドウ糖液投与をルーチンにされている方もいると聞いたことがあります。 
効果を実感されている方がいらっしゃれば、効果的な投与の方法を教えていただきたいなと思います。 
  
  
  今週の動画 
経験談【双胎分娩(双子)のお話】 
 
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