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加地永理奈のコラム
OPUドナー牛の登録証チェック

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2022年3月23日

黒毛和種の母牛でOPUを行う際に、事前にチェックしていただきたい項目がいくかあります。OPUで生産した受精卵を移植して生まれた子牛が、黒毛和種として登記をとれるように必要なチェックリストです。ぜひ一度ご確認をよろしくお願いいたします。

① 登録証明書をご確認ください
まずドナーとしたい母牛の登録証明書をご確認ください。ドナーは、全国和牛登録協会の基本登録以上の雌牛である必要があります。子牛登記登録証のままではありませんか?繁殖牛として登録されていない育成牛や肥育牛では、その受精卵が受胎して生まれても子牛登記をとることができません。OPUは未経産でも実施自体は可能ですが、OPU時までに登録審査が通っている母牛での実施をお願いいたします。

② 遺伝子型検査は実施済みですか?
OPU体外受精卵を移植して生まれる子牛は、人工授精と異なり借り腹であるため、生まれた後に血統に矛盾がないか遺伝子型検査をして親子判定を行います。この際に、事前にOPUドナー牛の遺伝子型検査が遺伝子型検査要網に基づき実施されていないと、生まれた子牛に矛盾がないか調べることができません。そのため、原則として受精卵製造時までに親子判定のための遺伝子型検査を実施していることと決められています。
登録証明書の一番上に「試料番号(SNP)」と数字が記載されていれば、その牛は遺伝子型検査実施済みです。登録証に記載がない場合でも、その牛の試料番号と親子判定結果が明記された「遺伝子型検査成績報告書」があれば大丈夫です。遺伝子型検査が未実施であった場合、栃木県では畜産協会を通して全国和牛登録協会に検査を申し込み、「遺伝子型検査成績報告書」を受け取ることができます。

③ 登録証明書の所有者欄に間違いはありませんか?
OPUドナー牛の登録証の最終チェックとして、所有者の欄をご確認ください。住所が違っていたり、所有者名が違っていたりという場合が意外とあります。今一度、正しい記載かどうかをご確認よろしくお願いいたします。

以上の3点について、OPUドナー牛の登録証チェックにご協力いただければと思います。登録証と遺伝子型検査成績報告書については、私たちもOPU時にコピーをいただいています。法律等も厳しくなり決まり事も多いですが、一緒に確認しながらOPUを実施していきましょう!

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